■ 抄録・要旨
| 埼玉県では感雨器付の降水自動採取器を1991年度から順次設置し、2008年度まで県内11地点で湿性沈着の観測を実施した。
nss-SO42-沈着量は、1999年までは減少傾向を示していた。2000年の三宅島火山の噴火により2000〜2001年に沈着量が増加した後、2002年以降は1996-1998年頃のレベルで推移している。NO3-沈着量は、年ごとの増減はあるが、おおむね横ばいである。nss-Cl-沈着量は1994年頃から三宅島火山の影響が強い期間を除いて減少傾向にある。
nss-SO42-沈着量は、平野部の南部で多く、山地部で少なかった。これは大気中のSO2濃度の分布と似ていた。NO3-沈着量は、NOxの濃度分布よりオキシダント濃度の分布に近く、大気中のHNO3濃度とOx濃度の推移も似ていることから、広域的な光化学反応の影響が大きいと考えられた。
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